膝関節外科
野村医師は膝蓋骨脱臼の重要な靱帯の発見・研究・手術法の開発で世界的な膝外科医です。
水曜日に三愛病院で膝関節手術を行っています。
手術希望の方は是非来院下さい。他院でMRI検査を行われた方はそのCDを初診時に横浜整形外科クリニックに持参下さい。

膝関節外科の代表的手術
全人工膝関節置換術 / TKA
変形性膝関節症が高度で50~80歳の方では全人工膝関節(Totak Knee Arthroplasty; TKA)が薦められます。
最新ジンマー社製TKA Personaを用いています。心臓や重度の糖尿病がなければ80歳まで問題ありません。
人工関節の耐用年数は20~30年ありますので50歳を過ぎれば手術は可能です。
術後はゴルフ・スキー・ボーリング・ハイキング・サーフィン・登山などのスポーツは問題なく可能です。多少の重労働も問題ありません。杖は全く不要です。60才で両人工膝関節手術を受けられ、25年後の85才まで好きな日本舞踊と旅行を謳歌できた方もいます。
入院期間は術後8日~2週間程度です。手術翌日から歩けて3~4日目には90度曲がり、7~10日目頃には120度以上曲がります。退院後のリハビリ通院は基本的に不要です。人工膝関節には入院期間が1週間以内の片側人工関節(UKA)もあります。



手術後の膝屈曲角度
一般に患者様に知られていないのが最終屈曲角度です。我々の結果は患者様の術前の条件が良好であれば145度以上の屈曲、さらには正座近くも可能になっています。特に両側を手術しなければならない方ではより曲がることを考えなければいけません。一般的な手術1年後の平均的屈曲角度の結果である125度程度ですと、両膝手術では湯船の中から楽に立ち上がることは不可能です。135度以上曲がれば楽に立ち上がれます。より曲がれば、術後の痛さ、固さ、重さなどもほと下記写真は85歳男性(上記X線写真例)で、84歳で手術しました。正座、しゃがみ込みなど自由にできます。何年にも渡り整形外科クリニックで治療していたにも関わらず痛みは強く日常生活に支障が出ていました。術後は痛みもなく正座もできて好きなハイキングを楽しまれています。んどなくなります。特に135度以上曲がる方はより自然な膝を獲得することができます。125度屈曲と135度屈曲ではわずか10度の差ですが結果は大きく違います。術前の曲がりが悪くなると結果も落ちてきますのでそう悪くならないうちに手術をお勧めします。
人工関節研究
野村医師は現在までに人工関節置換術の執刀が3000例を超えました。世界的TKAメーカーのSimth&Nephew社と共同研究を2009年から3年間行いました。膝の曲がりをよくするための手術テクニック、術後癒着を起こさないための工夫、コンポーネントの回旋設置の影響、膝蓋大腿関節での問題点や改善点の研究、膝蓋骨置換・非置換の問題などの研究を行いました。

①75歳女 術後1ヶ月

X線写真

②62歳女 術後6ヶ月

X線写真

③72歳男 術後3ヶ月

正座可能

④78歳男 術後6ヶ月

スクワット

⑤64歳女 術後6ヶ月

⑥58歳女 術後8ヶ月

⑦80歳女 術後2ヶ月

⑧OA55歳女 術後3ヶ月
片側人工膝関節 / UKA
関節の半分の人工関節が片側人工関節(UKA;Unicompartmental Knee Arthroplasty)です。
1990年代まではUKAの長期成績は今ひとつでしたが、2000年以後形や素材が改良され素晴らしい成績となっています。
現在、ジンマー社製UKA Personaを使用しています。変形性膝関節症の中でUKAが適応の場合、TKAよりこちらをお薦めします。手術は85歳まで可能で15~20年持ちます。術後はゴルフ・スキー・ボーリング・ハイキングなどのスポーツももちろん可能です。杖は全く不要となります。
手術翌日から歩行可能で、3日目には90度曲がり、5日目頃には120度以上曲がります。術後5日~7日目(水曜日手術の場合、翌週月曜~水曜に退院)に1人で歩いて退院ができます。退院後のリハビリ通院は不要です。80%の方が正座可能になります。



▼85歳男性(上記X線写真例)84歳で手術
正座、しゃがみ込みなど自由にできます。何年にも渡り整形外科クリニックで治療していたにも関わらず痛みは強く日常生活に支障が出ていました。
術後は痛みもなく正座もできて好きなハイキングを楽しまれています。



前十字靭帯再建術 /ACL再建術
前十字靱帯(Anterior cruciate ligament;ACL)再建術は今日安全な手術となっています。完全ACL断裂はギプス固定では治癒しないこと、放置した場合5年以上で2次的半月板損傷、それ以上の年数で変形性関節症を来すこと(下記症例)から、青年~中年で活動的な方に手術治療が行われます。手術は内視鏡で行います。傷は内視鏡を操作する1~1.5cmの傷が2~3カ所、靱帯の採取と固定する部の4~6cm程度の傷のみでできます。再建用の採取腱は半腱様筋腱(ST腱)と薄筋腱(G腱)が使われます。野村医師の開発した最新のハイブリッド再建術(自家腱+人工靭帯)では術後2~4日目(水曜日に手術とすると金曜~日曜日退院)に装具付けて一人で歩いて退院でき、術後5日目に会社復帰できます。



▼43歳女性:ACL損傷後15年間手術しなかった例



膝蓋骨脱臼手術 /MPFL再建術
内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)再建術
横浜整形外科野村院長は世界で最も早く膝蓋骨脱臼に対するMPFL再建術を開発し現在まで500例以上の手術を行ってきました。この数は世界トップクラスです。
再建材料として1997年まで人工靭帯法、1998年に自家腱法を開発しました。手術結果は世界的雑誌 The Knee、Arthroscopy、AJSMに4つ論文が掲載されました。採取する腱の半腱様筋腱や薄筋腱は採取しても運動機能に影響はありません。人工靱帯法でも組織学的に良好な靱帯が再生されることが判明しています。世界的雑誌AJSMのレビュー(Bucken 2010,AJSM)ではMPFL再建術の2009年以前の世界の論文から信頼できる論文は12個のみであり、その内野村医師は2000年に世界で最初に信頼できる論文を発表したと記載されています。12個の内3個の野村医師の論文が選ばれています


2022年最新手術法開発
術後スケジュールは手術2~4日目に杖なしで退院・術後リハビリ通院不要・ランニング2ヶ月~、スポーツ3ヶ月~。世界で最も早いリハビリを達成。
膝蓋骨脱臼の進行や軟骨障害
膝蓋骨脱臼で初回脱臼後10年以上になると、脱臼力も強くなり軟骨の障害例が多くなります。軟骨障害が進むと元通りに回復させることは難しく脱臼は治っても軟骨の痛みが残りますので早めに手術を受けて下さい。初回の脱臼の平均は14~18歳頃ですので手術せずに30歳代になるとこのような状態になります。
軟骨形成術 /Cartilage Ope
術後スケジュール
1. 内視鏡手術で施行
2. 手術翌日に歩いて退院
3. 退院後リハビリ通院不要
4. 3~4ヶ月以降スポーツに復帰










第1段階軟骨形成術
軟骨障害は最初亀裂または剥離で始まります。この状態が第一段階軟骨障害です。このことはあまり一般に知られていません。この最初の亀裂や剥離状態のうちに対処することが最も結果が良好となります。亀裂や剥離が進んでしまうと②の状態になります。
第2段階軟骨形成術
軟骨の剥離や亀裂が①より少し進んだ段階です。放っておくとさらに軟骨欠損が進み軟骨障害は広くなり且つ深くなります。この段階ではまだドリリングなどの操作は不要です。第3段階軟骨障害との間は幅広く関節鏡で見てみないと最終的に判断できません。この段階では手術結果は比較的よく平均75~90点ほどになります。
第3段階軟骨形成術
第2段階からさらに進行するとより広範囲の軟骨障害になりさらに軟骨の障害も深くなります。この段階ではドリリング手術を加えることが多くなります。第3段階ではまだ人工関節は適応はありませんのでできるだけ軟骨形成術をして膝の痛みを軽減し少しでも長く自分の膝で歩けるようにが目的です。本手術の結果は平均60~80点で患者の満足度は比較的高いので手術は安心下さい。
高度軟骨障害
高度軟骨障害では一般に人工関節が適応になります。しかし人工関節を行うにはまだ早い方、または一度この手術を行いできるだけ人工関節手術を先延ばしさせることを意図して、軟骨クリニーニング手術(第3段階手術の広範囲版)を行います。手術結果は50~75点くらいあり術後5~20年人工関節を先延ばしすることができます。全ての軟骨形成術後にはヒアルロン酸注射やPRP治療が推奨されます。
半月板手術 /Meniscectomy
半月板損傷は膝関節の損傷の中でもっとも多いものの一つです。膝には内側と外側に2つの半月板があります。半月板の機能は、1)関節軟骨の衝撃吸収、2)関節安定性の寄与、3)関節不適合の補形、4)潤滑の補助、などがあります。



診断
階段昇降、膝屈伸動作や正座時の痛みが主体です。軽い例では日常生活では痛みがないものの運動時にのみ痛みが生じる例もあります。膝屈伸回旋テストでクリック音と疼痛の誘発で高率に診断できます。MRI検査は半月板損傷の診断にきわめて有効です。半月板の損傷形態は縦断裂、斜断裂が多く見られます。高齢者では変性(ばさばさ状)断裂が多くみられます。半月板の血行は周辺の10-25%までしか入っていないので、通常の半月板損傷は治癒しません
治療
ロッキング症状(膝がひっかかる)や膝伸展制限がある場合は早急に手術を行う必要があります。それ以外では保存的治療(薬・リハビリなど)を数ヶ月続け、症状の改善が不十分であればPRP治療または手術的治療を考慮します。
PRP治療
米国では毎年85万件の半月板手術が行われていますが、長期経過も含めると手術後の再手術率や不良例は30%にも及ぶことが判明しています。ロッキング例や外側円板状半月損傷例を除き出来るだけ保存的治療で粘ります。改善しない場合は手術前にPRP治療も検討します(Hauser MD)。保存治療の結果が良くないときにのみ手術を勧められます。保存治療も長期になりますので最初からPRP治療を行うことはもちろん推奨できます。
半月板部分切除術
半月板の手術は関節鏡下部分切除術が中心です。関節鏡を入れる1cm弱の傷と半月板を切除するパンチを挿入する別の1cm弱の傷の2カ所でほとんど出来ます。手術翌日に松葉杖なしで退院出来ます。関節鏡下部分切除術317例の10年以上の調査でも中高齢者の変性断裂は症状が続く場合には手術的に治されることがベターです。手術成績に影響する因子として、35歳以上の年齢、軟骨変性所見、半月後方1/3切除例、半月rim切除例などを指摘する論文もあります(Chantain 2001)。従来は後節1/3を切除することが多かったのですが、できるだけ痛みに関係する部分のみ切除する小部分切除法 (limited small resection) を現在では行っています。

(水平断裂合併)

(水平断裂は僅かに残存)

正常に見えるが





半月板縫合術
半月板の周辺10-25%には血行があるので治癒する可能性があることから、半月板辺縁断裂に対しては半月板縫合術が行われます。2-4週間のギプス固定が必要になります。本法の適応は若年者で比較的新しい損傷に適応になります。かつてはOpen縫合法が主体でしたが、最近では関節鏡下に行える縫合デバイスが進歩し、より簡単に確実に行えるようになっています。縫合術の成功率は75-90%程度で、再断裂の危険もあります(Sommerlath 1991、Villiger 1997、Spindler 2003)。
外側円板状半月損傷
外側円板状半月損傷は水平断裂で始まり、強い症状に発展したときは複合断裂になっていることが多くなります。長期経過例では変形性変化を合併することが多くなります(Okazaki 2006)。このタイプの半月板は切れ始めたら正常にできるだけ近い半月板に形成します。手術は関節鏡手術で手術翌日に松葉杖なしで退院出来ます。



完全型円板状半月遊離縁


右:円板状半月